こんばんは!猫大好きnoramieです!
今日は、ハンディキャップ(障がい)を持った
猫について考えたいと思います。
はじめての障がい猫
2004年の春まだ遠い肌寒い季節のことでした。
あるボランティアさんから、夜遅くに
怪我をしている様な仔猫がいると一報があったので
確保を手伝って欲しいと連絡が入りました。
現場へ行くと、既に閉まっている会社の敷地内に
親子猫が居て、確かに一匹の仔猫の動きが変でした。
勝手に敷地内に入るわけにもいかないので
門に貼られた管理会社に電話をかけて事情を説明し
許可を得た上で、門を乗り越えて作業に入りました。
仔猫達は、警戒して敷地内に停めてある車の下に
逃げ込みました。驚いたのは、母猫がその怪我?仔猫を
重点的に守るようにして動いており、終いにボランティアさんに
噛みつく勢いで向かってきた事です。(;゚Д゚) キャー
そうして、なんとかかんとか、目当ての仔猫を確保できたので
ボランティアさんに預け、翌日動物病院へ搬送してもらいました。
子猫は生後2ヶ月位の黒白、男の子でした。
何処にも怪我はしておらず、動きのおかしい原因を
調べる為に、しばらく入院する事になりました。
最初に疑われたのは、内耳炎です。
耳垢や細菌など、何らかの影響で耳の奥深い部分で炎症が起こり
平衡感覚を司る神経に触り、斜頸(頭部の傾き・振動)や
身体のフラツキがあるのでは?という見解でした。
炎症を抑える為の内服治療や、足先に少し剥げがあったので
真菌の疑いがあり外用薬の塗布治療を実施してもらいました。
それでもフラツキが治まらない所を見ると、どうやら
脳の問題ではないかと、最終的な診断を受けました。
病名は、小脳形成不全というものでした。
母猫が妊娠後期あたりで、猫汎白血球減少ウイルス
(別名:猫パルボウイルス感染症/FPLV)に感染していたか
子猫の場合は、生まれてから感染するケースもある。
そのせいで、平衡感覚を司る小脳が上手く発達しないため
体幹バランスが悪く、斜頸や歩行異常・フラツキや転倒が起こる。
進行性は、あまりなく飼い主のサポートにより普通の生活が出来る。
私も、初めて聞く症状だったので、戸惑いましたが
この状態で、外では生きられないので保護する事になりました。
その後の現場と無責任な餌やり達
その後、残された親兄弟の不妊手術もしなければならない為
しばらく様子を見に通っていました。
その会社の向かい側に公園があり、どうやら
こちらで餌を貰っている様でした。
なぜ判ったかと言うと、公園の入り口に水飲み場があり
それを囲むように植え込みがあるわけですが
猫達は、大体その中に潜んでいたし
その付近に、いつも紙皿が何枚か散乱していたからです。
餌やりの時刻が、午後11時過ぎだと判明するまでに
そんなに時間は掛かりませんでした。
餌やりさんは、中年の母娘で事情を説明するも
ああ、そうですか~と微笑むだけで、費用を出す所か
クレームが来るから、後片付けをしてくださいと何度言っても
はいはいと生返事をして繰り返すだけでした。
お蔭で、真夜中に公園に行き、後片付けをしながら
親子を見守る日々が続きました。
ある晩、この件の発見者がやって来て、口論にもなりました。
その方は、へんてこりんな自転車に乗って、あちこちの野良猫に
餌をばらまくことで有名なおっさんで、あれこれと問題を起こしたり
仔猫を拾っては、狭い汚いマンションに、拉致る癖があるので
ボランティアさんも、ホトホト困っていました。
その時も、口だけでTNRしないし、費用も出さないくせに
あの仔猫を引き取ると言い出したので、口論になってしまい
時間が時間だけに、酔っ払いの喧嘩と間違えられて
近所の住民に通報され、お巡りさんが来てしまいました…(-_-;)
結局、先に母猫の避妊を済ませて、仔猫達は成長を待ってから
実施しました。既に顔なじみになっていたので簡単でした。
公園の入り口を出た所に、大きなスーパーの搬入口があり、
そこから、売れ残って廃棄処分となる食べ物を運ぶトラックが
深夜に出入りしていました。ある夜、いつもの見回りに行くと
その業者の運転手が、猫達に向かって何か投げていました。
猫達は、さっと走り寄り、何かをくわえて去ります。
なるほど、もったいないから残り物の固形物を…。
ってさーどいつもこいつもぉー無責任な餌りどもがぁーーー!!
里親探し、そして別れ
成長した仔猫は、牛若丸と名付けられました。
無事にワクチンや、心配していた去勢手術も済んで
不器用ながらも、少しのサポートは必要でしたが
自力で食べて排泄も出来て普通に生活していました。
例えば、お水や餌は、丁度、鳥が餌をついばむ様な感じで
ちょんちょんと頭を上下に振ってね。時間も掛かるし
こぼすし、なので支えてあげたり、食器を工夫したりしながら。
ある時、当時保護していた同い年位の三毛猫さんに
面会があり、是非、牛くんも一緒にと言われました。
少し手も掛かるし、難しいですよ。と説明しましたが
どうしてもと言うので、仕方なくトライアルへ。
一週間も経たたない内に、里親さんが泣きながら電話してきました。
まだ就職して間もなかったので忙しく、猫達のお世話は、お母さんが
メインでしていた様で、お母さんも仕事をしていた為
任せきりの態度に「お前は飼う資格が無い。」と怒られたのでした。
気が進まなかった理由としては、そのもう一匹の里子ちゃんも
とても良い子でしたが、牛くんとは今一、相性が良くなかったのです。
トイレは大きめの物を持参しましたが、汚れがちで
気に入らない相方の匂いが嫌で、あらぬ場所に粗相をする
ようになってしまった事が返された原因でした…。
だから言ったのに…一週間ぶりに迎えに行くと、
牛くんは、私を見てバタバタと逃げました。
おいおい、もう忘れちゃったのか、この恩知らずめ。
その後、その里親さんご家族は悪いと思ったのか、後に保護した
仔猫を2匹目として迎えて下さり、そして今度は上手く行きました。
排泄で汚れることも
ありましたので
よく拭いてあげてましたが
セルフグルーミングだって
こうして、ぎゅうって
やってましたよん。(´-`*)
猫って体柔らかいしねぇ~。
で、結局、2017年の夏に、13歳6カ月で天寿を全うするまで
うちの子として過ごしました。手のかかる子ほど可愛いと申しますか
気の強い所もあったけど、ド・ストレートに甘えてくる
彼が亡くなった時の私の悲しみは、相当酷かったです。(ノД`)・゜・。
けれど、生まれ持ったハンディにも負けず
その後、保護部屋に入って来た後輩猫達にも優しく
リーダーの様に守っている姿は、今でも忘れられません。
人はよく、障がいを可哀想だとか不幸だとか言います。
だけど、ハンディがあったからこそ保護されたのだし
それも、ある意味、強運なのでは?と、すら思えます。
そして、彼らを見ていると、そんな言葉は、どこ吹く風と
まあ、清々しい程あっけらかんと猫生を謳歌している様に
見えるんです。そりゃあ不自由な事や不都合な事もあるでしょうが
彼らなりの工夫で生活しようとしているし、自身を悲観したり、
また周囲の猫達も卑下したり差別もしません。
ありのままで、そのままで、みんな個性的で魅力的なんですね。
と言う訳で、今回は愛する牛くん(未だに親バカってら)のお話でした。
その後も、呪いの如く、ハンディキャット達と関わることに
なるのですが、それはまた別編にてー。(ΦωΦ)
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