こんにちは!猫大好きnoramieです!
今日は、猫伝染性腹膜炎 について考えて行こうと思います。
よろしくお願いします。
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは何ぞや?
猫腸コロナウイルスは日本の猫の多く(約20%)が持っているウイルスで、
猫コロナウイルス(FCoV)という分類の中に含まれており、他には猫腸コロナウイルス(
Feline enteric corona virus : FECV)があり、病原性は低いウイルスです。
因みに、現在流行中の人の新型コロナウィルスとは別物です。
猫腸コロナウイルスが、猫の体内で変異を起こして強毒化し、猫伝染性腹膜炎(FIP)を
発症します。原因はよく解ってはいませんが、過密飼育や劣悪な環境によるストレスが一因とも
考えられています。FIPの初期症状としては、下痢や嘔吐・発熱・食欲不振などですが
これらは、猫腸コロナウイルスでも起こる症状であり、適切な処置により重症化はしません。
FIPの特徴的な症状は、ウェットタイプと言って、お腹や胸に水がたまる(腹水、胸水)
他にもドライタイプは、肝臓や腎臓、腸に肉芽ができると機能が低下し黄疸が出たり
脳に炎症が起こり、眼振やふら付き等の神経症状がみられたりすることもあります。
FIPの診断は非常に難しく、血液検査や抗体検査だけでは、エイズや白血病の様に
確実に判断できません。つまり気づきにくく、特徴的な症状が出てからでは残念ながら遅く、
腹水を定期的に抜いたり、他の対処療法をするしかなく、完治しないと言われています。
近年、FIPに効果がみられるというサプリメントが話題になりました。
ただ非常に高額で、まだ国内では承認が得られていない為、使用を奨励しない病院もあります。
クラウドファンディング等で費用を集めている方もいるのは、発症率が生後1~3年と
若い事が多く、諦め難いからではないかと思います。
譲渡してから発症したケース (1)
私もかつて、譲渡した若猫が発症してしまったケースが2例ありました。
一匹は、ホームレスさんが拾って来たキジトラのオスの仔猫でした。
保護当時、酷い下痢をしておりましたが通院ケアで落ち着き里親さんを探しました。
とても真面目でキチンとした性格の里親さんに譲渡が決定し、ホッとしていた
数ヶ月後に事態が急変しました。
当時、保護先で骨折してしまった仔猫の通院をしていた病院が同じだった為
偶然、里親さんに会えてFIPである事を知った訳です。
診察室に同席させてもらい、状況を聞きながら、先生の了解を得て
フードやオヤツの差し入れをしましたが、幼い命は間も無く逝ってしまいました。(´;ω;`)ウゥゥ
骨折した仔猫は、1ヶ月後にすっかり完治しスクスク育ちました。
病院で何度も会っていたのと、同じキジトラ柄だったので、里親さんは気にかけてくれていて
「うちの子になるかい?」なんて言ってたのです。冗談かと思っていたのに連絡が来て、
また引き受けて下さることになりました。
但し、先住猫が居たので(前回の発症時は、移らないよう隔離してもらっていた。)
お互いに定期的に抗体検査をしながら安心できる時期が来てからという事になりました。
乳母めぇちゃん、この時もお世話になりました。
とても慎重な里親さんだったので、譲渡した時には、こんなに大きく成長してました。
でも、あんなことがあったのに、また家から引き取ってくれるなんて嘘みたいで…。
お空に行ったあの子が繋いでくれたのかなと、ご縁に心から感謝したものでした。
譲渡してから発症したケース (2)
その子は、工事現場で怪我をして病院に入院していました。
まだ3~4ヶ月のキジ白の女の子で、保護した方が引き取れない状況だったので
処置が終わったら、家で保護する予定になっていました。
前右足に怪我をしていて、発見が遅れたせいで先が壊死しウジが沸いていたそうです。(>_<)
断脚せざる得なかったので、手術後に我が家に迎え里親募集しました。
ハンディがあるとはいえ、まだ若い仔猫は場所に慣れ出すと、元気に遊び
高いタンスの上まで登れるようになっていました。スゴイ!
そして、幸運な事に里親さんが見つかったのです。
まだ若い女性でしたが、既に飼っている猫さんも前左足を失くした子でした。
なので、右と左で対になると何の抵抗も無く受け入れてくれました。
そして、またその数か月後に、その子のFIP発症の連絡が来ました。
その時は、遠方だったのですが、同時期に保護された仔猫達に移っていないかと
心配された優しさからでした。確認した所、幸い、他に同室だった子達は大丈夫でした。
里親さんの近くの病院に通院する事になり、インターフェロンなどの治療が続きました。
献身的な治療をしてもらい、費用も大変そうだったので、少しばかりの寄付を送りました。
頑張って生きてくれたのですが、余命は1年半ほどでした。(´;ω;`)
ご丁寧に、個別のお葬式までして下さり、参列して欲しいと言われましたが、
仕事で都合が合わず、ご遠慮しました。後日、やっぱり来なくて正解だったかもと
言われ、何でかな?と思ったら、参列したパートナーの彼が、号泣して泣き崩れたので
恥ずかしかったから…という理由でした。
どちらの里親さんも、短い期間だったのに沢山の愛情を注いでくれたんだなぁと
実感し、有り難さと同時に申し訳なさが込み上げてきたのを覚えています。
当時は、経験も浅く、知識もあまりなかったので、そんな怖い病気が存在する事すら
知らず、予測できない事とは言え、里親さんの悲しみは測り知れない訳で…
責任と言うか、猫も人も幸せにしようとした結果が、こんな仕打ちとはと嘆きました。
他にも様々な病気で亡くなってしまう子達も居るわけで、それぞれの寿命なのだろうけど、
決して、猫達や里親さん達を悲しめたり苦しめたりするためにしている訳でないし
勿論、誰のせいでもない事だとも分かってはいるのです。
でも、やっぱり悲しいし、悔しい。
動物医療も、昔と比べたら、もの凄い進歩をしていると思います。
自分のペットの病気と、どう向き合うか。また治療の選択肢も増えました。
だからこそ、彼らの気持ちを汲んであげて、寄り添いたいものですね。
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