こんにちは!猫大好きnoramieです!
今日は、「猫とホームレス」シリーズ 第4回をお送りします。
ホーダーホームレス事件
それは、2013年の秋のことでした。
以前、河川敷近くの会社の方から、敷地内でお世話をしている
野良猫たちのTNR依頼がありました。
会社の建物の裏側が河川敷に面している為、そのフェンスを
くぐって何匹もの猫が侵入してきてしまうので、なかなかと
キリが無く、一度やっても悪化してやり直した現場でした。
その時の事務員さんから、久しぶりに連絡が来たので
また新入りかしら?と思っていたら、全くの別件でした。
通勤途中の橋の下に、数匹の猫が居るのを発見し
気になって仕事の休憩中に行ってみると、紐に繋がれた猫や
キャリーバックに入れられたままの猫が居て、飼い主であろう
ホームレスに注意をしたが、全く聞き入れてくれないので
説得してくれないかと言う相談でした。
場所を聞いて、他のボランティアさんと一緒に現地へ向かいました。
橋の下の川沿いに、沢山の段ボールが敷かれていて
二匹の繋がれた猫と、ソフトキャリーに入った猫が二匹おり
一応、餌や水は置いてあるものの酷い有様でした。
ご本人は不在だった為、周囲のホームレスさん達に
聞き込みしてみると…最近になって突然フラッと猫達を連れて
現れ、勝手に住み着いたらしく親しくはないと言う。
しばらくすると、本人が帰ってきました。
まだ30代位の男性で、ホームレスには見えません。
何故こんな飼い方をしているのか?
紐が絡まり、猫達が水や餌に届かないし、秋とは言え
9月頃だったので炎天下では、かなり暑くなってしまう。
そう助言しても、こうしておかないと逃げてしまうからと言う。
不妊手術をしないと増えてしまいますよ、と言っても
お金はあるから、いくらでも何匹でも飼えると豪語する始末。
一緒に同行してくれたボランティアさんも呆れて
「彼、話は通じるけれど、どこかオカシイわね。」と
一旦引き上げました。その後、気にかけて、すぐにまた行ってくれた
そのボランティアさんから、また仔猫が増えていると連絡があり
仔猫用のミルクとフードを差し入れたが、ちゃんと世話して
いるのか心配だと…再度訪問すると確かに、その通りで
里親探しも提案してみましたが、逆ギレされ、断るの一点張りでした。
さすがに、これはマズイなと感じ、相談者へ状況を報告すると
怒り心頭で、自分で猫達を保護すると言い出しました。
とりあえず冷静になって、保護先の確保や費用について
話し合い計画を立て、保護する時は、危険なので、
絶対に一人で行かない様に念を押しておきました。
ドタバタな保護と里親探し
相談者さんは約束通り、会社の同僚男性に同行してもらい行ったのですが
怒りが冷めやらない状態だったので、当然話し合いは決別しました。
そして、警察に通報し、すったもんだになったそうです。(*■*;
警官を見て、焦ったホームレスは、猫を抱えて逃走しましたが
途中でリードを放してしまい、しばらく戻らなかったそうです。
相談者さんは、警察に事情を説明し、猫達を保護し、
予定通りに紹介した動物病院へ搬送してくれました。
後日、私も猫達の状態の確認と里親探しの為の写真を撮るべく
病院へ行くと、思っていた以上に健康状態が悪く
治療とケアが必要だったので、しばらく入院する事になりました。
そんな中でも、救いだったのは保護された猫達が
みんな人慣れしていて可愛かった事と、相談者さんが
真面目に里親探しをして下さった事でした。
人慣れしていたのは、おそらく空き缶集めに行った先で
簡単に捕まる猫を拉致していたからだと思われます。
譲渡会も率先して参加してくれたので、全面的に協力し、
お陰様で素敵な里親さんが決まって行きました。
その後、元の場所から、かなり離れた場所でポツンと
テント暮らしをしていた彼を心配した数名の優しい
ホームレスさん達は時々様子を見に行っていました。
そんな中、またしても事件は起きてしまいます。
拉致を繰り返すホーダーと猫の運命
最初の保護時に、リードを付けたまま逃げた猫の事が
気になって捜索していたら、高齢のホームレスさんから
彼が、また猫を捕まえてきている様だと情報が入りました。
気持ちがざわついて、私は彼のテントへ急ぎました。
幸い留守だったので、閉じ込められていたソフトキャリーの
入り口の網の部分を持ってきたカッターで、斜めに切り裂き
あたかも猫自身が爪で引っ掻いて破き、脱走したように
見せかけて救出しました。
そして、上着で猫を包み抱えて、帰り際に、彼と鉢合わせしないか
ドキドキしながら急いで、ホームレスさんの小屋へ走りました。
小屋で餌と水を与えると、しばらくずっと水を飲んでいました。
包んでいた上着も異常に臭く、キャリーの中でこぼれた水や
自分の排泄物で汚れていたのだと気が付きました。
作戦通り、本人は猫に逃げられたものだと認識していました。
その後も懲りずに、何処からか捕獲器を調達してきて猫を
捕まえて来たのですが、その猫を救出した後、相談者さんが
無謀にも一人で捕獲器を盗んで処分したと言っていました。コワッ!
その事件当時、その地域を担当していたボランティアさんが
ご病気で長期入院していた為、報告出来ておらず、退院後に
事情を説明し、もう猫を連れてこない様にきつく説教してもらいました。
それまでにも、ホームレス支援の為に巡回している
ボランティアさん達に、お願いしてみましたが
個人的な事だからと対応してくれませんでした…(._.)
そして、とうとう空き缶集めのテリトリー争い?で
他のホームレスさんと衝突・問題を起こし
結局、その場も追放されてしまったのです。
そして、時は経ち、ごく最近のことです。
ある方からメールをいただきました。
あの時、救出した猫が怪我で保護されていると言うのです。
写真を見せていただいたら、間違えなく、あの子でした!
怪我は大したことなく、年齢の割にはとても元気だったので
地域のボランティアさん宅で預けられて、まもなく里親さんも
決まったと風の便りで聞きました。
関係者の皆様、本当にありがとうございました。
当時、去勢済みの成猫でしたから、もう10歳位でしょうか。
いつも保護猫で満員だったので、家で保護出来なかった無念と
こんな強面なんですが、呼ぶと駆け寄ってくる可愛さから
時折、差し入れを持って会いに行っていたので覚えていました。
本当に、生きていく先にどんな未来が待っているのか
誰にも予想は出来ないんだけど、願わくば、それが
幸せなものでありますようにと祈らずにはいられません。
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