公営住宅の猫達

こんにちは!猫大好きnoramieです!

シャムみい
シャムみい

今日は、「公営住宅の猫達」 というテーマで考えて行こうと思います。
よろしくお願いします。

 

公営住宅の工事が始まる

ボランティア活動を始めて数年経った秋の頃でした。
当時は、現在の様に動物愛護団体が沢山ありませんでしたから
知り合ったボランティアさんのお勧めで、古くからある動物福祉協会に
入っていました。年会費を払うと年に数回、啓蒙冊子が届き、不妊手術の為の
助成金が受け取れる申請ハガキが2枚いただけるシステムでした。

ある日、その協会の会長さんから、直々に連絡をがあり
私の住む地域から近い公営住宅の方から、外猫の不妊手術の依頼があったので
相談に乗ってあげて欲しいとの内容でした。
早速、出向いたのは良いのですが、依頼主の名前しか聞いておらず
そうだ、部屋の番号が判らない…(゚д゚)!しかも二棟あるわー。
これは困ったなぁ~とポストをチェックしつつ、ウロウロしてると
一番奥の一階にある小さな庭の窓際に一匹の猫の姿を確認出来ました。

公営住宅の猫達 3

一か八か、と思い、そのお部屋のインターホンを押すと、ビンゴ!
出て来た若い奥さんに事情を聞くと…
近々、この公団の老朽化に伴い、大々的な耐震工事とリフォームが
実施されることになり、餌を与えている外猫達のことが心配で
どうしたら良いか悩んで、動物福祉協会に相談したとの事でした。

丁度、当時何か国からの給付金があり、夫婦で相談して、そのお金を
避妊手術に当てようと決断したと話してくれました。
とは言え、餌の時間に立ち会わせていただくと、猫の総数7~8匹は居る。
給付金だけでは、全頭手術は難しい為、依頼人はメスだけでも言われたけれど
会長に経過報告した所、助成金ハガキを特別に数枚くださることになり
工事前に着手する事になりました。

 

住民への理解と周囲との協調

その依頼人の餌の時間が夕方以降であったので、捕獲はもっぱら
陽が暮れてからの薄暗い時間になってからでした。
その時も、いつもの様に捕獲機を仕掛けて準備をしていた所
そこの公団の住民らしき家族が、こちらをいぶかし気に見ていて
何も言わずに部屋に戻っていきました。嫌な予感…。
数分後、先程の家族のご主人らしき男性が一人で出て来て
一体何をしているんだっ‼ と、興奮気味に怒鳴ってきました。

慌てて、捕獲を見守っていた奥さんと一緒に事情を説明しましたが
見ていた子供が怖がってショックを受けて泣いている、どうしてくれるんだと。(*_*;
とにかく、謝って落ち着かせようとしていたら、依頼のご主人が何事かと
出て来て、胸ぐらを掴み合い、あわや大喧嘩になる所でした。(゚Д゚;)
クレーム側が、この棟の自治会長を呼んで来たので、ようやく説明と報告が出来ました。

当時は、不馴れだったので周囲への報告と許可、配慮が足りなかったと反省しました。
工事が迫って来ていて焦りもあったので、すっかり慌てて忘れていました。

公営住宅の猫達 1

 

という感じで、何とか工事前に全頭手術できる予定だったのですが
一番古株の賢いメスが中々捕まらずに苦戦していました。

この現場は、公団の一番奥で、よく見ると隣の公園と隣接していました。
フェンスはありましたが、猫なら簡単に下を潜り抜けられる感じだなー。
確か、この公園には早朝餌やりさんが通っていると聞いた事があったので
ある日、頑張って超早起きしてお話を聞くことに成功しました。

やはり、猫のメンバーには少し重複がありました。
公園の猫達は、個体把握されており、ほぼ不妊手術済みで掃除も完璧でしたから
事情を説明し、依頼人が工事期間も近くの仮住まいから、毎日給仕には来ると約束していたものの
もしかしたら、工事の音に驚いて、公園に流れてくる子がいるかもしれないので
ご容赦ください。と、お願いしておきました。

餌やりさんは快諾してくれた所か、それ以降の捕獲や、仔猫の里親探しまで
親子ぐるみでお手伝いくださいました。全く、ありがたいこってす。_(_^_)_
そして、依頼人は予算オーバー分の費用も全額支払い、工事中・戻ってからも
猫達の世話をして下さいました。

 

公営住宅の未来の形

この案件の他にも、住民の高齢化や建物の老朽化や耐震問題などによる取り壊し
によって、取り残された猫達の捕獲・保護依頼等もありました。

依頼してくる人達は、様々な切っ掛けから猫達を心配し、切羽詰まって相談してきます。
そして、やり方や考え方も色々ありましたが、最初の取っ掛かりに付き合ってあげると
以後は、驚くほど自主的に行動してくださる方も実際多かったと記憶します。

中には、中々心を開いてくれずに解決に至らないケースもありましたが…。(+_+)
当然のことながら、公営住宅はペットの飼育は基本的に禁止ですから
その観点からも、当然クレームが出る事もあるでしょう。
そして、公団の規模が大きければ大きい程、住民や外部の関与もあり
コミュニケーション不足で、問題がかなり大きくなってしまう場合もあった訳です。

公営住宅の猫達 2

これは、公営の集合住宅のみならず、賃貸や持ちマンションでも同様で
むしろ、マンション等は管理組合が厳しく規制や反対派も多く、一定のルールの下
上手く共存できているケースも勿論ありますが、外猫に関しては、理解してくれない
場合が殆どで、苦労した経験があります。

しかし、最近では、少子高齢化で公営住宅の形も変わって来た様です。
若者に、社会貢献(住民との地域活動への参加など)を条件に安く借りられる制度を作ったり
新しい形で、住民同士が交流できる方法を模索しています。

公営住宅って、日中は皆仕事や学校で人気がなく静かで、高齢者も多いので
なんとなく、のんびりした空気が漂っている印象がありますよね。
だから、猫達も安心して集まって来ちゃうのかしらと思っちゃいます。

勿論、動物が苦手とかアレルギーの方々には集まって来ては困る!
訳ではありますが、公営だからこそ出来る共存の方法ってないのかしら?

最近、今までの時代では考えもつかなかったアイディアや方法が
沢山あるのだなぁ~と驚くのですが、こうした問題も人間の知恵で
工夫して、みんなで楽しい未来を考えられたら良いなと思う今日この頃です。

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