こんにちは!猫大好きnoramieです!
今日は、不適切飼育について考えて行こうと思います。
以前に書いた記事もありますので、事例としてご覧ください。
適切な飼い方指導の難しさ
2007年の夏の事です。当時、ボランティアさんに薦められて東京都の動物愛護推進委員をしていました。
ある現場の近くで、猫の飼い方が変な家があると言う情報を受けて、正しい飼い方指導を目的に訪問しました。最初は、いつものことながら、「余計なお世話だ! 自分ちの猫をどう飼おうが勝手だろう‼」的な
抗戦的な態度を取られました。それは、他の推進委員さんや管轄行政が訪問しても同じでした。
ただ、その飼い方と言うのが酷くて、もう4~5歳位になる成猫を、仔猫の時から、ずっと小さな
キャリーバックに閉じ込めて飼っていたのです。正確に言えば、1日に30分だけ自由にしており、
やっと人が通れるくらいの、狭い荷物だらけの土間に長い紐で繋がれている状態でした。
勿論、猫トイレは無く、エサ皿も無く、キャリーの中にドライフードが投げ入れられているだけ…。
なのに、母親は娘が良く面倒見ていて優しい子なんだと、のたまっていました。
その年の夏は、忙しかったのですが、時間を見つけては何度も説得に伺いました。
娘が一人で留守番している事が多かったので、色々と話を聞いていく中で、猫は生後3ヶ月位の時
ある愛護団体?から譲り受け、毎年のワクチン接種や不妊手術も実施していました。
どこの団体ですか?と聞いても、その時は忘れてしまった・連絡先を失くしたと嘘をつかれました。
何故、嘘だと判ったのかと言うと、後日の説得の際、猫を見ず知らずの人に渡すなら、貰った人に返すのが
筋だと言い張り、連絡もしていたからでした。けれど、譲渡した人は、もうボランティアをしていないから
関係ありませんの一点張りで、相談にも話にもならなかったらしい…。それもどうよー(。-`ω-)
結局、そうこうしている内に、秋になり、ある譲渡会に参加してみませんかと持ち掛けてみました。
まだ、自分達での譲渡会を開催する前のことでしたので、人づてに聞いてお願いした訳です。
最初、悪態を付いていた母親は、私の訪問が煩わしく面倒になっていた様子で
憮然としている娘を遮り、二つ返事で了解してくれました。
そして、とりあえず、我が家で預かる事には成功しました。
曖昧な虐待の線引き
家に来て、最初は緊張していたものの、直ぐに慣れ始めはしましたが、驚いた事が幾つかありました。
まず、明らかに身体の下半分の被毛が汚れていて、これは長年の排泄による汚れである事は
間違いありませんでした。しかも、数回洗っただけでは落ち切らないほど染み付いていました。
そして、猫なら難なく飛び乗れるであろう30cm程度の段差も失敗する、後ろ脚の筋力低下。
オモチャでは遊ばず、自分のしっぽを追いかけて、飽きることなくグルグル回っていました。
猫はバイ菌を持っているので、一緒に寝ないと豪語していた飼い主でしたが、布団で一緒に寝たがる。
けれど、ちょっとした寝返りなどに反応し、急に噛んでくることもありました。
念の為、近くの病院でレントゲン検査などをしてもらいましたが、骨には異常は無かったものの
運動不足による筋力低下と日照不足による骨密度の低下、ストレスによる血糖値の上昇が見られました。
これを虐待と言わずに何というのだろう。
そして、譲渡会には参加したものの結果はダメでした。数日して、母親から連絡があり結果を伝えた所、
「あんな可愛くない汚い猫に、貰い手など付くはずない。」と言われました。
「そんな風にしたのは、どこのどいつだ!」 と、怒りが爆発しブチギレてしまいました。
翌日、娘から電話があり、里親が決まらなかったのなら、猫を返せと執拗に言ってきました。
昨日の事もあり、納得できない私は、猫の状態を詳しく説明した上で、「また同じような飼育の仕方を
するつもりならば、戻せません。」とキッパリ断り、愛情があるのならば、何故あんな飼い方をするのかと
問いただしました。掛かりつけの獣医がそれで良いと言ったとか、意味不明な事を言い出したので
とにかく適切な飼育環境が整うまでは返せないと、一旦切りました。
この間に、ネットで同時に里親募集をしていたのですが、当時日記を書いていたSNS上でも
里親募集スレッドに掲載していました。経緯が経緯だったので、それに同情してくれる方々も
沢山いたのですが、中には、それは仕方ないんじゃないかとコメントする方もいて、そういう意見の
違いから論争が起きていました。私はリアルで忙しかったので炎上していたのを後で知ったのですが…
不適切な飼い方や虐待と言っても、人によって感じ方が異なり定義が曖昧である事に気がつきました。
所有権の放棄が重要な訳
その後、諦めたのかと思いきや、家族全員で自宅に押し掛けて来て警察沙汰になったり
東京都の動物愛護推進委員の管轄にクレームを入れられて、事情は詳しくレポートにして
提出するも、理解されなかったりと散々な目に遭いました。感情的になり、ならば推進委員の証を
剝奪したらいいとさえ言い放った覚えがあります。結局一期で辞めましたが…”(-“”-)”
最終的には、法的に訴えると呼び出しまで…何かもう意地になっているとしか思えませんでした。
関係者や専門家にも相談しましたが、私の最大のミスは所有権の放棄を文面で交わさなかった事でした。
法的には、ペットは物であり、所有者が権利を放棄しない限り勝手な事は出来なくなっています。
現時点でも、事件性など余程の事がない限り所有権がある方が有利で覆すのは難しいとされています。
なので、いくつかの飼育に関する交換条件を提示し、呼び出しと返還に応じることにしました。
条件の中には、定期的な面会も含まれましたが、連絡をすると居留守を使われました。
仕方なく情報をくれた方や近所の方に見守りをお願いしました。
以降は、譲渡や他の事に関しても契約書は重要だと考えて、合理的で嫌だなぁと思いつつも
面倒でも書面を交わして、約束してもらう事が当たり前になりました。
当時の日記では、現状の法律では猫一匹救う事も出来ないのかと嘆いていたものです。
警察の生活保全課の方の話では、国家的な法律改正には時間が掛かるし大変な事だけど
各都道府県独自の条例もあるので、そういう所から改善してもらう方法もあるのでは?
とも助言されました。確かに他の事でも、そうする事によって取り締まりを強化出来るし
凶悪化する社会では、アニマルポリスの様な部署も将来的にはきっと必要になって来ると思いました。
時代は変わり、動物愛護を取り巻く論争や規制・法改正も少しずつ進んでいます。
昨年の6月から施行された数値規制も話題になりましたが
数値規制とは…マンガで見る動愛法 – 公益財団法人動物環境・福祉協会Eva
これらは、一部の悪質なペットショップやブリーダー対策ですが、
個人や団体などにも適応できる様にして貰いたいですね。
と言う訳で、新年早々重いエピソードで失礼しました。
ただ、動物愛護の浸透によって良いニュースや変化も確実にあるなぁと感じるので
何か特に根拠は無いんですけど、必ず良い方向に向かうのではないかと信じております。
新しい年の祈願としても、本当の意味で動物に優しい世界になって欲しいです。
コメント
こんばんは。
たまたま流れて見つけたので読ませていただきました。
読んでいで腹が立って震えが止まりませんでした。
この子のその後が気になります。
こんな可愛い顔してる子が
またキャリーに閉じ込められてるんじゃないかって思うと。。。
助けられる命ではないのかと。。。
これは虐待ではないのかと。。。
この子はキャリーから出られて
体も洗ってもらえて幸せだったはず。。
またその家族に戻るなら
嘘でも譲渡先が見つかったと言うことは出来なかったのかと。。
私も個人ですが
ほそぼそボランティアをしています。
家には猫3匹飼っています
猫は撫でて撫でて愛情与えてあげると
癒しで返してきてくれます。この家族は。。。
その後はどうなっているのでしょうか。。
明石さま
ご訪問、コメントありがとうございます。
この話は、2007年と、かなり昔の事なのですが
あえて記事にしたのは、似たような事例があった場合に
計画的に解決するためのヒントや糸口になれば良いと考えたからです。
その後は、以前のような飼い方をしていないか、
外から監視したり(家の構造上、それが可能でした)
また近隣の方々にもお願いして、チェックしてもらっていました。
譲渡先が決まったという嘘もつきましたし、他の対策も取りましたが、
所有権の前では無力でした。全てが、こちらの満足のいく結果では
なかったとしても、一時的に離れたことで、飼い主はこの猫ちゃんの
存在の重さを改めて感じたのではないかと思います。
当時は、虐待と言う認識が甘く、私も感情的になって無謀な行動を
してしまいがちでした。現在では、動物への福祉や関心が高まり
今後も変っていくだろうと期待します。
ボランティア活動、ありがとうございます!
人も動物も幸せな世界になって欲しいですね。